Shinichiro Yamamoto

山本 慎一郎

MyGPTが面白いのイメージ画像

MyGPTが面白い

ChatGPT-4に、新機能「MyGPT(GPT Builder)」が追加されました。
コイツ、すごいですよ……。
参考:自作のMyGPT「ニュアンス翻訳GPT」はこちら(要ログイン&GPT-4契約)

MyGPTというのは、端的に言うと、自分なりにカスタマイズしたChatGPTが作れるものなのですが、いわゆる「ノーコードツール」になっています。
プログラムコードを書く必要はなくて、「GPT Builder」という設定用のChatGPT欄に、やってほしいことを伝えれば対応してくれます。
(方法の説明ではなく、一気に設定変更までやってくれます)

簡単な例でいうと、『日本語を女子高生が使うような言葉遣いに変換してほしい。ギャル語なども積極的に使って表現するようにしてほしい。』と言えば、そのような設定にカスタマイズしてくれます。
(オジサン、もう若い人の言葉分からなくてなぁ……)

ちなみに、その状態でやり取りした結果がこちらです。

入力:今日は調子がいいので自己ベストが出そう
出力:今日めっちゃ調子イイ感じだから、自己ベスト出ちゃうかも~!✨🌟

なんだコレ? 絵文字? 最近のケータイって、こんな絵文字入ってるんですか?(2000年代脳)

あるいは、設定を修正することも可能です。
例えば、追加で『2000年代の女子高生が使う言葉遣いにしてほしい。』と言えば、やはり自動的に、設定を更新してくれます。

なお、実験したときは、GPTの名前とアイコンも作ってくれました。
「Retro Gyaru Translator」だそうです。
アイコンも、私では到底描けない、何かよくわかんない女の子と、周りにおしゃれグッズが散りばめられた絵になりました。
私の記憶では、2000年代と言えばルーズソックスなんですが、まあChatGPTの学習内容は英語圏ですし、インターネット黎明期の2000年代の日本の情報は学習してないのかもしれませんね。

では、2000年代の女子高生の言葉遣いにしてもらいましょう。
まずは、先ほどの文章を試してみます。

入力:今日は調子がいいので自己ベストが出そう
出力:今日は調子バリバリだから、自分史上サイキョーの記録が出ちゃいそう!

んー……言われてみれば2000年代っぽいような、そうでもないような?
何だかナンバーワンにはなれそうな気のする言葉遣いですけども……。

少し文章を変えてみましょう。

入力:今日抜き打ちの荷物検査あって本当に最悪
出力:今日、ガチでやばい急な荷物チェックあって、マジで最悪だったのよ〜。

「チョベリバ」を期待してたんですが……。
あれって2000年代じゃない?

……調べたら1990年代後半って出てきました。
チョベリバ~。

早速修正しましょう。
『1990年代後半の女子高生が使う言葉遣いにしてほしい。』と。
設定が変更されたら、同じ文章を打ち込んでみます。

入力:今日抜き打ちの荷物検査あって本当に最悪
出力:今日さ、突然の荷物検査があって、マジ最悪だったのよ~。

うーん、「チョベリバ」は出てきませんね。
やはり、そのような例文が学習内容の中に少なかったのでしょう。
あるいは、そもそも『女子高生のような言葉遣い』という概念が、十分に認識されていないのかもしれませんね。
(学習内容を補完する設定もありますが、この記事では割愛します)

このように、現状の生成AIには、対応しきれない部分もあります。
これは、生成AIを使用するうえで、しっかりと注意を払わなければならない点です。
「ハルシネーション」と呼ばれる誤った回答もですが、『そもそも、このAIは何を学んでいるのか?』というのも考慮しなければなりません。
非常に悲しいことに、事実として『悪い方へ向かうように学習させられているAI』というのも存在します。

ちなみに、私がChatGPTを利用するシーンとしては、『ネイティブに近い、自然な英文を作りたいとき』が多いのですが、その際には必ず、翻訳した英文を再度日本語に訳させています。
そうすることで、自分の伝えたかったニュアンスなどが正確に翻訳されているか、ある程度チェックすることができます。
『完成品を作るツール』としてはまだまだですが、そのような、『たたき台を作らせるツール』としては、チョベリグです。

そんな感じで、MyGPTの設定用ChatGPTを使うことで、まるでエンジニアと話しているような感覚で、自分だけのChatGPTを作ることができます。
一般ユーザの方にとっては、完全にノーコードでカスタマイズできるので、エンジニアリングの入門として最適だと思います。
また、現役エンジニアの方でも、ChatGPTの挙動を知るうえで、脳内リバースエンジニアリングが捗る面白い一品に仕上がっています。

なお、冒頭で宣伝した「ニュアンス翻訳GPT」はこちらにございます。(要ログイン&GPT-4契約)
先に述べた、私がよく利用するシーン、『ネイティブに近い、自然な英文を作りたいとき』に使える(と思う)アプリになります。
また、同アプリの設定資料は、当サイトの「資料」ページに載せてあります。
特に利用制限などは設けておりませんので、MyGPTのGPT Builderへコピペで貼り付けて、お試し用サンプルなどにご利用ください。

あ、ちなみに、MyGPTの機能は無料ですが、ChatGPT-4は自体は有料です。
その点だけご注意ください。

それでは、色々と遊びすぎて設定のチャットだけで回数制限に引っかかってしまった、山本慎一郎でした。

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