Shinichiro Yamamoto

山本 慎一郎

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何かを守るために必要なこと

『事故調査は、責任追及のためにするのではなく、再発防止のために行う』
NHKのテレビ番組で、有識者の方が仰っていた言葉です。

番組の内容は、年初に発生した航空事故に関するものでした。
航空機の乗客などは全員助かったものの、自衛隊員の方が5名亡くなられました。

その事故に関する番組で、有識者の方が仰っていたのが冒頭の言葉です。
ちょうど夕食を摂りながら見ていたのですが、箸が止まるほどの衝撃を受けました。

一般に、事故が起きた時、私たちは一体何を考えるか?
身の安全、事故の状況、その次に考えることは、ほとんどの方が『誰の責任か』なのではないかと思います。
少なくとも、私はそうでした。

件の航空事故のニュースを聞いていても、『どこに原因があったのか』=『誰が悪いのか』と考えていました。

ですが、そうではないと。

なぜ事故の調査を行うのか。
それは、同じ過ちを二度と繰り返さないためだ。

教えを受けなければ、とてもその境地にはたどり着けないと思います。
航空業界の方々が、どれだけ真摯に再発防止に努めてこられたのかが垣間見えました。

振り返って、わが身です。
私の周りで事故と言えば、まず浮かぶのはセキュリティ事故。
色々と防止策も設けてますし、教育も行っています。
それでも、セキュリティ事故は起きます。

果たしてその時、『再発防止のための調査』ができるかどうか。
考えてみましたが、答えは「NO」でした。

間違いなく、『責任追及のための調査』になってしまいます。
番組の有識者の方も仰っていましたが、これでは責任を逃れるために、真実の証言を得られない可能性があります。

航空機事故とセキュリティ事故。
比べられるものではないと思いますが、どちらも事故であることに変わりありません。
すなわち、起きないようにコントロールしていくべきものです。

そのためには、起きた事故を教訓として再発防止に努めていかなければなりません。
昨年も大きな情報漏えいの事故が起きましたが、同じような事故を防ぐにはどうすればいいのか。
それを考え、行動に移すのも、情報処理安全確保支援士の使命だと思います。

『事故調査は、責任追及のためにするのではなく、再発防止のために行う』

実践するのは容易ではないと思いますが、忘れたくない教訓だと思いました。

それでは、何かを守るために必要なのは未来を変えることだと気づかされた、山本慎一郎でした。

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