
うつ病と共に
別に隠していたというわけではないのですが、私はうつ病です。
精神障がい者2級の認定を受けています。
なんで新年早々こんな記事を書いたかというと、今年は自身の障がいをオープンにしてやっていこうと思ったからです。
私がうつ病と診断されて、もう10年以上が経ちます。
この病気もだいぶ認知が進み、『うつ病なんて気の持ちようだ』と言う方はだいぶ減ったように思います。
ただ、うつ病のイメージというと、『ずーんと沈んだ感じ』とか『引きこもってる人』というイメージをお持ちの方は、まだまだ多いと思います。
実際、そういった症状で苦しんでいる方もいます。
私も、急激に症状が悪化するとそうなります。
一方、普段はどうかというと、傍から見ると健常者と何も変わらないように見えると思います。
人並みにコミュニケーションは取れますし、喜怒哀楽も一般的な範囲です。
もっとも、その裏では、朝晩の薬を飲み続け、常に自分の体調をモニタリングしています。
そして、人には分かりにくいところで苦労していたりします。
私の場合、社会復帰に一番の障害となっているのが、『疲れやすさ』です。
去年から個人事業主として仕事をしていますが、多くの人と同じような『1日8時間』や『週5日』の労働に耐えられません。
だいたい、『1日3~4時間』、『週4日』程度が限界です。
現状は、多くの人と比較するとおおよそ3分の1程度、月60時間の労働で計算しています。
このような状況なので、長期間の開発案件は、すべて請負契約で受注しています。
理由としては、『スケジュールの調整などが、私の裁量でできるから』です。
どれだけ気を付けていても、調子の悪い日というのは突然やってきます。
そんな時に、何の気兼ねもなく『今日は休みにしよう』という判断ができるのは、非常に気が楽です。
これがもし、準委任契約だと、役務(労働時間)の提供が契約内容になりますので、色々と面倒な事務処理が必要になります。
請負契約なら、最終的なモノが仕上がりさえすれば、途中の過程はある程度自由なので、その点で大きく差があります。
とはいえ、うつ病を患っている人物と請負契約をしようという企業は中々ないと思います。
なぜなら、病状が悪化して指定の期日にモノが仕上がらないリスクが高いからです。
そんな折に、手を差し伸べていただいたのが、以前所属していた会社です。
私が退職して5年以上経過していましたが、かつて作成したツールが営業担当の方の目に留まり、営業用のシステムの開発を打診いただきました。
そして、病状をご理解いただいた上で、かつての実績などから、請負契約でお仕事を発注してくださいました。
これがなければ、個人事業主として独立することはなかったでしょう。
今の私は、同社からの請負契約と、CtoCサービスを利用したメンタリング事業で収入を得ています。
これに障害年金が加わるのですが、いかんせん月60時間程度しか働けないため、自立して生活できるだけの収入には届いていません。
個人事業主として独立したからには、せめて自立して生活できるだけの収入を安定させたい。
今年は、その礎となる収入源の確保と安定を図っていきたいと考えています。
もしかしたら、うつ病をオープンにしたことで、収入は減るかもしれません。
ですが、今しなくてもいつかはオープンにするものだと思うので、それなら早いうちにオープンにしてやっていこうと。
数ヶ月考えて、そういう結論にいたりました。
そんなわけで、ホームページもちょこっと文面を変え、2年目は、うつ病ということをオープンにしてやっていくことにしました。
誤解のないように説明しておくと、うつ病だから甘く見てほしいとか、そんなことは微塵も思っていません。
むしろ、しっかりと『リスク』を計っていただきたいです。
『この人に頼んで、本当に仕事を完遂してくれるのだろうか?』
ぜひとも、そういう考えを持っていただきたい。
そして私は、それを超える「価値」を提供したい。
『うつ病という事実を差し引いても、この人に頼みたい』
そう思っていただけるような人材を目指し、精進していきたいと思います。
それでは、うつ病と共に生きる、山本慎一郎でした。